インクジェットプリンターに使われているインクは、染料インクと顔料インクの二種類のインクがあります。それぞれのインクの特徴や、メリット・デメリットをまとめてみました。
目次
染料インク
染料インクの特徴 絵の具に例えると水性絵の具。紙に染みこみます。
染料インクは染料がインク溶剤の中に溶けこんでいますので、インクは紙の中に染み込みます。
メリット
- 色の再現度が高く、色調や発色が繊細。
- 光沢感がある。
- 写真が綺麗に印刷出来る。
デメリット
- 乾燥に時間がかかる。
- 滲みやすい。
- 耐水性に劣る。
- 光や空気に触れていると色が劣化しやすい。
染料インクは、インクジェットプリンター用のインクとして初期から登場したインクで、今も広く使われています。
顔料・染料の表記が無い互換インクの場合は、一般的には染料インクが使われている事が多いです。
顔料インク
顔料インクの特徴 絵の具に例えると油絵用絵の具。紙の表面で定着します。
顔料インクは顔料がインク溶剤の中では溶けずに、細かい粒子となって残っています。その為、インクは紙の中に染み込まずに表面に定着します。
メリット
- 色がくっきり出て、滲みが少ない。
- 色の安定が早く、速乾性がある。
- 耐水性・耐光性・耐オゾン性に優れている。
デメリット
- 繊細な色の表現力に劣る。
- プリンターのノズルで目詰まりしやすい。
- 紙の表面に定着するので、こすれ等に弱い。
顔料インクは文字印刷に強い
顔料インクは、文字がくっきり印刷されるので、ビジネス用途に向いています。その為、オフィス向け用のプリンターの場合は、顔料インクが採用されている機種が多いです。
プリンターによっては、ブラックのみ顔料インクを採用して、他のカラーは顔料インクと、両方のインクが搭載されているタイプもあります。
写真は染料インク?
ハイエンドプリンターは顔料インクタイプが多い
写真を印刷する場合は、一般的には染料インクの方が綺麗ですが、実は、写真印刷向けのハイエンドプリンターは、ほとんどの機種で顔料インクが採用されています。
染料インクは色が安定するまで時間がかかる
染料インクは乾燥に時間がかかり、シビアな色調整・補正を行うには不向きです。その為、ハイエンドプリンターでは、高品質な顔料インクが採用されています。又、色の表現力が劣らないように、搭載しているインクの色数が多いのが特徴です。例えば、エプソンのPX-5002では9種類のインクを使用します。ブラックだけで三種類もあります。
互換インクは染料タイプが中心
Q : 顔料インク搭載プリンターに、互換インクを使っても大丈夫?
一部の互換インクメーカーでは、顔料インクタイプの互換インクが販売されていますが、大多数の互換インクは、染料インクで作られています。
顔料インク用プリンターに、染料インクで作られた互換インクを使うのは、比較的安全でしょう。逆のパターンは危ないかもしれません。
顔料インクのインクジェットプリンターに染料インクを使用したりその逆の場合は|ヤフー知恵袋
純正インクと染料・顔料が一致している互換インク
プレジールの互換インクなら、純正インクとインク種類を合わせたインクで販売されています。純正インクが染料なら、染料インクを採用。顔料なら、顔料インクを使って作られています。
Q : プレジールの汎用インクカートリッジは染料ですか?顔料ですか?
A : 現在販売中の製品は、純正インクカートリッジと同じく、 「染料インク使用の製品」の互換品には染料を使用し、「顔料インク使用の製品」の互換品には顔料を使用しております。 プレジール
以上、染料インクと顔料インクの違いのまとめでした。近年、インクの研究開発も進み、両者の差は徐々に縮まっているようです。互換インクでも顔料タイプが増えて来ました。